脳腫瘍、末期癌をあきらめない
癌=がん とは悪性腫瘍のことです。
人間の存在を最終的に決定するものが私たちの「脳」とするなら、
脳ががんにおかされることは、すなわち人間存在の危機といわねばなりません。
脳に生じるがん。それが、悪性の脳腫瘍です脳腫瘍は一般的に脳のがんと受け止められています。
しかしこれは、実際には他のどんな腫瘍やがんとも異なる性質を持っています。
脳をおおっている頭蓋は硬い骨でできているため、成人では頭蓋内の容積は常に一定です。
もしこの内部に腫瘍ができて成長すると、脳は腫瘍による圧迫から、逃れることができません。
そしてこれが原因となって、脳腫瘍を発症すると、比較的早くからさまざまな症状が現れます。
この頭蓋の中に収まっている脳は、成人では重さが1300~1400グラムあります。
このうち約70パーセントを占めているのが、
人間の意識下での思考や言語、記憶など精神作用をつかさどっている「大脳」です。
大脳は実際に右半分(右脳)と左半分)左脳)に分かれています。
これらはさらに内部がいくつかに分かれ、それぞれの機能が異なります。
大脳の外側の層は「大脳皮質」と呼ばれ、主に次の2種類の細胞からなっています。
1.ひとつはいわゆる「脳細胞」です。
これは人間の意識や心の活動行なうもっとも重要な細胞で
正しくは「ニューロン」または「脳神経細胞」といいます。
この細胞は、神経の活動電位(プラスまたはマイナスを示す電気信号)を
化学物質を用いて次々に隣の細胞に伝えることによって、全体として意識活動を生じます。
2.もうひとつは1のニューロンの周囲を埋めるように分布し、
ニューロンを支えて脳の形を保ち、ニューロンに栄養と酸素を供給している「グリア細胞」です。
脳は人間の精神活動をふくめて全身のさまざまな機能をつかさどっているため、
腫瘍のできた場所によっては、早期から重い障害が生じます。
そのため、例え良性の腫瘍でも、患者にとっては重大な事態を引き起こす可能性があります。
これは、さしあたり生命に別状のない他の臓器の良性腫瘍とは大きく異なる点です。
脳腫瘍の種類・特徴
上記の2種類の脳細胞(ニューロンとグリア細胞)のうち、
「本当の脳細胞」であるニューロンは、基本的にがん化することはありません。
というのも、ニューロンは成熟(分子)を完了した細胞であり、
それ以上の分裂・増殖はしていないからです。
よく、「脳細胞は壊れていくだけで、新たに生まれることはない」と言う話を聞きます。
それはこのニューロンを意味しています。これに対してグリア細胞は、分裂・増殖する再生能力を持っています。そのため、細胞内の遺伝子が突然変異を起こしてがん化する(がん細胞に変わる)ことがあります。
一般的に「悪性の脳腫瘍」とは、こうしてグリア細胞ががん化し、
周囲の脳組織を破壊しながら脳内を浸潤していき、
脳の機能低下や重大な身体症状を引き起こすものを言います。
これを治療によって食い止めることができなければ、
がん細胞はついには脳の呼吸中枢を破壊して、患者を死に至らしめます。
なお、グリア細胞は日本語では「神経膠細胞」と言う難しい名前を与えられており、
これががん化したものは「神経膠腫(グリオーマ)」と呼ばれます。
膠は「にわか」、すなわち動物の骨や腸を煮詰めて作った古来の接着剤のことです。
したがって神経膠細胞は「ニューロン同士を接着する細胞」を意味する呼称です。
これががん化した神経膠腫は悪性脳腫瘍の中でも発症率がもっとも高く、全体の約35パーセントを占めます。
これはさらに数種類に分けられます。それらのうちもっとも悪性度が高い、
すなわちすばやくがんが成長するものが、中年の男性が発症しやすい「膠芽腫」です。これは、グリア細胞の一種である「星細胞」ががん化したものと見られます。この細胞は、顕微鏡で観察すると、あたかも星のような形に見えることから、こう名づけられました。
星細胞ががん化してできた膠芽腫は、異形度、すなわち細胞の形の変化が著しく、
もとの正常なグリア細胞とはまったく似ていません。
このほか、神経膠腫の中でもっとも発症率の高い「悪性星細胞腫」も、
悪性度のたいへん高い脳腫瘍です。
髄膜腫
脳膜から発生する、ふつうは良性の腫瘍です。
40~50歳代をピークとして成人に多く、女性は男性の約2倍の割合で発生しています。
腫瘍が大きくなると脳や神経を圧迫し、発生する場所によりいろいろな症状を引きおこします。
場所によっては無症状のままだんだん大きくなり、頭蓋内圧を上げるぐらい発育して、
頭痛などの脳圧亢進症状で発生することもしばしばです。
脳半球の上に発生すると、けいれんをおこして発生することがあります。
前頭葉に発生するといわゆるボケ症状、
運動中枢では発生しての脳の部位と左右反対側の手足に運動障害がおこります。
視神経が走る部位にもよく発生しますが、
このときは視神経を圧迫して視野障害や視力障害を引き起こします。
末期がんに対する統合医療の可能性
がんが多臓器へ転移することで末期がんと診断されてしまうと、 病院での積極的な治療が終了してしまうことがあります。 そのような場合でも西洋医療以外の統合医療で治療を継続することができます。 統合医療にはパン酵母抽出のベータグルカンやフコイダン等のサプリメントの他、 温熱療法などが利用されています。