生きることをあきらめない

悪性リンパ腫、末期癌をあきらめない

癌=がん とは悪性腫瘍のことです。

悪性リンパ腫とはリンパ節に生じるがんで、 これを発症すると、がん化したリンパ球が急速に増大して、患者は白血病と似た症状を示します。 リンパ腫を広義の白血病にふくめることもありますが、 白血病とリンパ腫では、がんが増殖する場所が異なります。

白血病ではおもに骨髄または血液中でがん細胞が増殖しますが、 リンパ腫ではリンパ節を中心としたリンパ組織の内部で増殖します。 リンパ腫は、「ホジキン病」と「非ホジキンリンパ腫」に大別されます。

ホジキン病

ホジキン病(ホジキンリンパ腫。HD)は、 1832年にこの病気を発見したイギリスの医師トーマス・ホジキンにちなんで命名された悪性リンパ腫です。 ホジキン病は欧米ではさほど珍しい病気ではありません。 アメリカでは年間7000~8000人が発症し、悪性リンパ腫の25~50パーセントを占めます。

しかし日本では、悪性リンパ腫のうちホジキン病が占める割合は10~15パーセントにすぎません。 ホジキン病は20歳代と60歳代の人に多く発症します。しかし幼児にも発症することがあります。 幼児のホジキン病の治療法は、成人の場合とは多少異なります。 ホジキン病を発症すると、特殊な細胞(ホジキン細胞およびリード・スタンバーグ巨細胞)が リンパ節の中で増殖します。これらの細胞の大半はB細胞ががん化したもので、 通常のリンパ球よりずっと大型です。

またリード・スタンバーグ巨細胞は核を2つ(もしくはそれ以上)もつ特異な形状をしています。 ホジキン病は、がん化した細胞の形態によって次の4つに分かれます。

  1. リンパ球増殖型
  2. 結節硬化型
  3. 混合細胞型
  4. リンパ球抑制型

1と2の予後、すなわち治療後の回復状態は比較的良好ですが、 3と4は発見時にすでに進行していることが多く、一般に予後は不良です。 日本人の発症が多いのは、2の結節硬化型です。

非ホジキンリンパ腫

一方、ホジキン病以外のすべての悪性リンパ腫は「非ホジキンリンパ腫」と一括して呼ばれます。 非ホジキンリンパ腫の場合、リンパ節に中にリード・スタンバーグ巨細胞は見られません。
日本では年間1万人ほどが発症し、年齢的に50歳代以上がピークとなっています。 非ホジキンリンパ腫は、がん細胞の増殖によって、次の2つに大別できます。

  1. 低悪性度非ホジキンリンパ腫(緩徐進行性または緩徐型)がん細胞の増殖速度が遅く、 進行しても症状はあまり現れません。病気が3~4期になると抗がん剤が効きにくくなるため、 完全に治癒することが難しくなします。
  2. 中~高悪性度非保持菌リンパ腫(進行性または進行型)日本人に多いタイプで、 増殖速度が速いのが特徴です。一般的に抗がん剤がよく効くがんとされます。 これらはさらに、濾胞性リンパ腫とびまん性リンパ腫に分かれます。 また、どのリンパ球ががん化したかによって、T細胞型、B細胞型、NK細胞型の3種類に分けることもあります。

非ホジキンリンパ腫は、隣接するリンパ節へ連続的に広がるというよりは、 むしろ、飛び飛びに広がっていきます。また、リンパ球がたくさん存在するさまざまな器官にも転移します。

成人T細胞白血病リンパ腫(atl)

成人T細胞白血病リンパ腫は、非ホジキンリンパ腫の一種で、 九州や南四国を中心とした、日本の南西部で多くみられる特殊なリンパ腫です。

このリンパ腫特殊なウイルスの感染が直接の原因となって発症します。 症状などから5つの病型に分類されています。

成人T細胞白血病リンパ腫は、 1973年に鹿児島県出身の女性に世界で始めて確認されました。 当初この患者は、通常の慢性リンパ性白血病と診断されましたが、 検査の結果、慢性型ではめずらしいT型細胞であることが判明したのです。 さらに、その後2~3年間で同様の患者が16人確認され、 うち13人が九州出身であったことから、 この病気が九州周辺に特有の風土病である可能性が疑われるようになりました。 そして1977年、この病気が日本の南西部に分布する成人T細胞白血病ウイルスによる感染症だということがわかりました。 その後、このウイルスは、アフリカやアジアに生息する高等なサルの仲間(霊長類。ニホンザルを含む)も 保有することがわかりました。現在では特に、ヒトT細胞白血病のウイルスをHTLVと呼びます。 厳密には病原性を持つのはそのうちのタイプ1ウイルスです。 なお、今のところアジアでHTLV-1が分布するのは日本だけです。

このウイルスの感染者は九州、沖縄を中心に全国に約120万人と推定され、 沖縄本島、五島列島、対馬、隠岐島での感染者は全人口の25パーセントにものぼります。 このほか、東北の三陸地方、佐渡島、北海道のアイヌにも比較的高い頻度で感染者が見つかっています。 母親がHTLV-1の感染者である場合、その子供も20~30パーセントの確立で感染しています。 これは母乳を介して感染したものと見られます。
しかしこのウイルスに感染しても、成人T細胞白血病リンパ腫を発症するのは、 感染者1万人あたり年間6人程度です。 なぜ感染していても発症する人と発症しない人がいるのか、その理由は明らかになっていません。

末期がんに対する統合医療の可能性

がんが多臓器へ転移することで末期がんと診断されてしまうと、 病院での積極的な治療が終了してしまうことがあります。 そのような場合でも西洋医療以外の統合医療で治療を継続することができます。 統合医療にはパン酵母抽出のベータグルカンやフコイダン等のサプリメントの他、 温熱療法などが利用されています。