生きることをあきらめない

胃がん、末期癌をあきらめない

癌=がん とは悪性腫瘍のことです。

胃がんは1920年代以降長年にわたって、 病巣の形態的な特徴によって大きく4種類に分けられてきました。 しかし近年、より厳密に胃がんの実態に合わせた分類が使われるようになりました。 まず胃がんは、肉眼で見たときの病巣の違いににより、次のように0型~5型まで6つに分けられています。

0型(表在型)
早期がんに相当します。病巣は、肉眼的にはわずかに隆起するかくぼむ(陥凹)似すぎません。 これにはさらに、病巣全体が隆起するⅠ型と、病巣が粘膜表面にとどまるⅡ型、 病巣の表面が陥凹するⅢ型に分けられます。 Ⅱ型はさらに、Ⅱa型(表面隆起型)、Ⅱb型(表面平坦型)、Ⅱc型(表面隔凹型)の区分があります。

1型(腫瘤型)
病巣が明瞭に盛り上がり、周囲の組織との境界が明らかです。

2型(潰瘍限局型)
病巣は潰瘍状で、その周りを厚くなった胃壁が堤防のようにとりまきます。 堤防と外側の粘膜との区別ははっきりしています。

3型(潰瘍浸潤型)
2型と同じように病巣は潰瘍状で、まわりを堤防がとりまきますが、 堤防と外側粘膜との境界は不明瞭です。

4型(びまん浸潤型)
はっきりした潰瘍でもなければ周囲に堤防があるわけでもなく、ただ胃壁が厚く硬くなり、病巣と周囲の粘膜との境界が不明瞭です。

5型(分類不可能)
前期のどの型にもあてはまらず、分類不可能なものをいいます。 これらの各型は、ほとんどが胃酸を分泌する腺細胞ががん化したいわゆる腺がんです。専門医はこれを、がん細胞の組織学的な違いからさらにくわしく分類していますが、ここでは省略します。 このような胃がんの分け方のほか、 胃からどのリンパ節へがんが転移しているか(深達度という)によって分類する方法や、 がんが胃壁のどの深さまで達しているかによって分類する方法もあります。これらは、胃がんの病期の基準となっています。

スキルス胃がん

胃幽門前庭部(胃の出口に近い部分)にできたがんをスキルス胃がんといいます。 自覚症状が殆どないままに隠れて潜行し、末期がんとなって発見されることが多い特殊な胃がんで、 近年増加傾向にあります。 「隠れて、見えない」ことから「ステルス胃がん」と呼び間違われることも多いのですが、 正しくは「スキルス胃がん」です。 スキルス胃がんは、一般に発症の多い一般的な腫瘤形成型の胃がんとは対照的な性質を持ち、 分化度が低いがん細胞から形成されることが多い一方、進行が速いのが特徴です。 スキルス胃がんは、腫瘍が小さい段階からお腹の中全体に癌が転移して広がり、 発見時には手術さえ不能な状態になってしまっていることが多い対応が困難ながんなのです。 スキルス胃がんを発症する年代は、20代から40代が多いされていますが、 原因は未だ特定されてはいません。