生きることをあきらめない

がんの3大治療法とは

癌=がん の3大治療法以外にも治療法はあります。

病院によって、受けられる治療と受けられない治療があるので、 がんの治療を始める前に病院と医者の質は見極める必要があります。

また、自己免疫療法や、サプリメント療法、温熱療法には、 健康保険が適用されないために費用が高くなる傾向があるため、 資金に無理の無い範囲での利用が望ましいと言えます。

陽子線治療・重粒子線治療

陽子線治療・重粒子線がん治療装置は炭素イオンを高速で照射し、 エネルギーをがん病巣に集中させるため、正常組織を傷つけずにがん細胞を破壊します。 早期の肺がんでは、1日1回1~2分の照射、 肝臓がんなら1、2回、前立腺がんなら20回の照射ですみますので、 日常生活に支障は少なく、通院治療もできます。
陽子線治療・重粒子線がん治療装置は巨大であるため、 治療設備の数がまだまだ限られているのが欠点です。 現在、がんの治療が受けられる施設は下記の病院・研究機関です。

  1. 国立がんセンター東病院(千葉県柏市)
  2. 兵庫県立粒子線医療センター(兵庫県)
  3. 筑波大陽子線医学利用研究センター(茨城県つくば市)
  4. 若狭湾エネルギー研究センター(福井県敦賀市)
  5. 県立静岡がんセンター(静岡県長泉町)

陽子線治療・重粒子線がん治療は高度先進医療の扱いとされるため、 診察や検査費用には健康保険が適用されますが、 治療費は総額で約300万以上と高額であることが問題です。

MRガイド下集束超音波手術(FUS MR guided Focus Ultrasound Surgery)

MRI(磁気共鳴画像装置)で、 腫瘍の位置を確認しながら200本以上の超音波ビームを病巣部に集中照射し、 腫瘍細胞を死滅させます。
ピンポイントに患部を狙って破壊するので、 表面の皮膚や周辺の組織を傷つけないのが特徴で、回復も早いようです。 保険が適用されないために患者負担は高額で、費用は150万円以上かかります。 現在、乳がんや子宮筋腫の治療に用いられております。

免疫療法

免疫とは体の中に異物(抗原)が入るとそれを排除して体を守ろうとして抗体ができます。 普段、がん細胞に対しても免疫は働いています。 免疫物質を補って、他の治療法とあわせて効果を発揮させようとするのが免疫療法です。 患者自身の免疫細胞を対外培養して数を増やし体内へ戻す自己免疫療法と、 体内の免疫細胞を活性化させる成分(ベータグルカンetc.)を含むサプリメントを摂取するサプリメント療法が挙げられます。
免疫療法は胃がん・結腸がん・直腸がん・小細胞肺がん・成人骨髄性白血病・ 腎がん・多発性骨髄腫・悪性黒色腫など多くのがんが対象です。

骨髄移植

化学療法や放射線療法を行うとき、 副作用として白血球や血小板が減ることが一番の問題です。
白血病・悪性リンパ腫など白血球や赤血球や血小板を造る造血幹細胞の機能を 回復するために骨髄移植を行うことがあります。

ホルモン療法

ホルモンを与えるとよく発育するがんに対して行われる治療法です。
ホルモンを分泌している臓器を手術で除去してホルモンの分泌を止めたり、 ホルモンと反対(拮抗)の働きをするホルモンを、経口剤や注射で投与して、 がん細胞の発育を阻止しようとするものです。
乳がん・子宮体がん・前立腺がんなどを対象に実施されることが増えています。

温熱療法

がん細胞が42℃以上に加熱すると死滅し始める性質を利用した治療方法です。 正常細胞は42℃以上に加熱して死なないことが解っているため安心です。 他の病の温熱療法には、遠赤外線が用いられることが多いものの、 がんの温熱療法は、ラジオ波で加温するのが主流で、 免疫細胞を活性化する作用もあります。 温熱療法は放射線治療や化学療法と併用することでがんへの効果が増大します。

身体全体を加熱する方法とがん組織だけを攻撃する治療法とがありますが、 現在の技術では、がん細胞だけを持続的に加熱することが困難な場合が多く、 今後発展する治療法として期待されています。

遺伝子療法

患者の遺伝子の免疫力を強化したり、 失われたがん抑制遺伝子をがん細胞に導入して治療する方法です。
現在はまだ研究段階なので臨床に用いることが不可能ですが、 今後は発展する治療法として期待されています。

凍結療法

金属製の針の先端内部に、 185℃の超低温高圧アルゴンガスを噴出してがんや腫瘍組織を液化し、死滅させます。 治療に使う冷凍装置はイスラエル製の小型冷蔵庫ほどの大きさで、 コードでつながった直径2~3ミリで長さ20センチの金属針の先端から液体窒素を 用いマイナス185度の超低温で冷却した高圧ガスを噴出してがん組織を凍結し死滅させます。 MRIの画面を見ながら、皮膚から刺して、針ががんに届いたら、 10分間凍結し、2分間休み、再度10分間凍結させます。

腎臓がん、膵臓がん、前立腺がん、子宮筋腫などが治療の対象になります。 凍結療法は切除手術に比べ、体への負担が少なく痛みがないのが特長です。 凍結により死んだ細胞は時間がたつと吸収されて消失します。

東京慈恵医大柏病院、北海道大病院で臨床試験が行われています。 慶応大学の呼吸器外科では早期肺がんの治療に利用し、効果をあげています。 皮膚科ではイボ、アザ、痔核などでは、既に広く使用されております。